企業における裁判に負けないための契約条項の実務 単行本 – 2023/12/11 阿部・井窪・片山法律事務所 (著, 編集)
フランチャイズ契約でよく問題になるのは、欺瞞的勧誘と情報提供義務違反。本部が「契約前に言っていた事」と「契約内容」と「現実の売上」が、大きく乖離してしまう事案。「こんなはずじゃなかった」と辞めたくても、契約期間があって、契約期間を赤字でも全うするか?違約金を払って辞めるか?二者択一に嵌る。契約期間条項と違約金条項が契約書に入っていて、一度契約したら、簡単には辞められない。(他の契約も簡単には解約できないが、フランチャイズ契約は毎月ロイヤリティーが発生する)
フランチャイズには、建設業法とか宅建業法のような「業法」という法律は存在せず、中小小売商業振興法と公正取引委員会のガイドラインで規制されている。前者は商店街整備の条項からなる法律で罰則は、第16条の10万円以下の罰金である。そして後者は、ガイドラインであって法律ではない。裁判でも、専門な法律はないので、独占禁止法の優先的地位の濫用や判例(広い意味での規制)を根拠に主張するしかない。
つまり、「契約書の条文が強い力を持っている」のです。例えば、契約期間の中途解約の違約金。それを規制する法律はなく、どうしても続けられず、契約途中で辞めたいが違約金が払えない。「払えない」と本部に懇願しても、「契約は契約ですから」とにべもなく債務が残ってしまう。裁判にかけても、事前に納得して合意して署名捺印されたんですよね?と必ず聞かれます。権利と義務が成立した契約に拘束されてしまうのです。
本部側も、積み重ねたノウハウを開示して経営指導までしていて、すぐ辞められるとまずい訳です。ただ辞めた後の「競合避止義務は、近隣で24か月」が判例の目安で、県単位5年とか決めると優先的地位の濫用とかで無効になるのは加盟者有利な判例です。
1200を超えるフランチャイズ本部があって、それぞれ玉石混交です。加盟金と機材購入の金額、初期投資額に注意です。割合小さな本部で、初期投資300万円で、「後は自分で営業して頑張って下さい。」初期投資が相対的低く(裁判すると弁護士費用で赤字)、加盟者の営業力次第と謳ってるFCは、用心です。1人に1000万円使わせて裁判沙汰になるなら、3人に300万円ずつという計算なのでしょう。
フランチャイズに加入とういのは、希望的観測を止めて全方位的な調査をお勧め致します。契約書も、本部にかなり有利な内容で、他との公平を期すため修正は難しいでしょう。判を押すか?押さないかの? 選択を迫られ、それでも不利な契約書を、飲んでもなおメリットがある理由がないといけません。
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