契約と契約書 (契約書はなぜ必要か)

〔改訂版〕応用自在! 契約書作成のテクニック 単行本 – 2019/5/20みらい総合法律事務所 (著)

 契約書を作成するのは、トラブルを防止する為です。合意した内容を紙面にて残す事で、アクシデントが起きた時、受容するなりアクションを起こして対応する為の心強いアイテムです。
 それでも当事者の一方、又は双方が納得しない場合は、裁判所でお話をする事になります。「裁判は証拠が全て」ですから、「契約書に書いてある事が全て」になります。書いてない事は法律で判断されますが、判例も多く出ており、裁判所に訴えようという当事者が、まず弁護士に相談されるでしょう。そして実情を知り、訴える前に決着がつく事が多いのではないでしょうか。

 契約書がないと、「言った、言わない」「そういうつもりでなかった」「そういう認識ではない。」「常識的に言ってこうだ」「納得がいかない」
 人それぞれ価値観は違います。認識も常識も双方ズレがあります。専門性の壁もあります。それに曖昧な部分は、人それぞれ自分の都合良く主張するものです。

 感情的になってしまうと解決が難しくなってしまいます。言った、言わないから始まって紛争になってしまうと、多くの時間、労力、お金が失われます。人は忘れる生き物です。3日前の夕食、何を食べたか?スッと言える方は多いでしょうか?7日前の夕食は? 相手の方が立場が強いと、電話口で「言ったかな?(抑揚を変えて)言ったかな?言ったかな?(困った雰囲気を出したり、ムッとした口調だったり)・・・」こちらが折れるまで、「言ったかな?」を30分以上繰り返すパワハラ気質な方もいます。(不動産会社の人でした)

 お互い仕事をするなら、まずルールを決めて合意内容を書面に落とし記録として残しておいて、スムーズに仕事をした方がいいです。

 「契約書なんて言うなら、いいですわ」と言われ取り合ってくれない。断れるなら、そういう方との仕事は断った方がいいです。何かアクシデントなりが起こった時よろしくない兆候が出てます。一方、断れないのでしたら、メールのやりとり、ラインのスクショ、電話の録音をして、自分のPCにその会社のファイルを作り、記録しておくべきです。書面がダメなら、電子データや音声データで記録を残して紛争に備えざるを得ません。

トラブルの第1位は、「 代金を払ってもらえないトラブル・・・」契約の成立そのものを争ってくる場合もあります。有償作業が発生しても提案を受けただけ。申込も承諾も曖昧だと、支払い請求権も認められません。(名古屋地裁平成16年1月28日判決)契約締結上の過失の理論を引用しても、第三者(主に裁判官)にわかるように契約を交わさないと紛争になってしまい負けてしまいます。また、請求額が30万円とか50万円だとすると、弁護士費用で50万円。泣き寝入り事案です。
 それと支払遅延。再びその会社とお取引されるのでしたら、契約書に遅延延滞金14.5%と入れる事をお勧め致します。

 請負契約で、契約は成立しても、作業内容のすれ違い。作業内容を細かく明示しなかったばかりに、想定外の作業を求められる。50作業で50の金額を見積もったが、先方は100作業やってもらう認識だった。「~に付随する作業」を拡大解釈されたすれ違い。

 自社の契約書の作り、「弊社との取引は弊社の契約書を使わせて頂きます。」が一番いいですね。

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