建物賃貸借契約書

3訂版 徹底解説 不動産契約書Q&A 単行本 – 2023/7/30 官澤綜合法律事務所 (著)

 戸建やマンションを不動産会社や保証会社を入れないで貸す方(大家さん)向けの内容を記します。
 まず、入居審査。ここが一番大事です。いろんな人がいますから、取引自由の原則がありますから、契約以前の方とお取引しない事が大切です。 自分の設定した条件に合う方と賃貸借契約を結びます。保証会社が入ってない以上連帯保証人は必要です。保証の極度額の表示が必要です。

 依頼や売上にはつながりませんが、国土交通省のホームページに掲載されている保証人付きの契約書が優れています。以下の青字をクリックするとジャンプします

「賃貸住宅標準契約書」

「賃貸住宅標準契約書」は、賃貸借契約をめぐる紛争を防止し、借主の居住の安定及び貸主の経営の合理化を図ることを目的として、住宅宅地審議会答申(平成5年1月29日)で作成した、賃貸借契約書のひな形(モデル)です。 標準契約書は、その使用が法令で義務づけられているものではありませんが、この契約書を利用することにより、合理的な賃貸借契約が締結されて、貸主と借主の信頼関係が確立されることを期待し、広く普及に努めています。との事です。

 重要事項説明は、不動産の売買や賃貸借契約において取引業者が入って媒介を行う場合、宅地建物取引業法35条に基づき、重要事項説明書を交付して、必ず宅地建物取引主任者が説明することが義務付けられています。

しかしながら、こちらの義務はあくまで媒介業者が媒介を行う場合だけで、個人間で直に売買、賃貸借契約を結んだ時は不要とされています。

 設備の欄の冷暖房設備にカッコをつけて「エアコン 残置物」と記入しておけば故障しても、本来貸主の義務である修理を借主に「残置物なので修理するなら、ご自分の費用で、取り替えるのでしたら、処分してください」と言える。エアコンは耐用年数10年で、家賃収入が低いと大きな負担となる。退去時のエアコン清掃は、契約特約で借主の負担にできる。

 住居賃貸借契約は、自由に条項設定できる事が少ない。といのも、強行規定の「借地借家法」や判例で何重にも、借主が守られているから。例えば、契約書に「家賃を1か月でも滞納したら、債務不履行により契約を解除し即退去」を特約で入れてもその通りにならない。判例により家賃滞納には、「信頼関係の破壊」という概念がからんできて、1か月では破壊されず、3か月以上が目安となってきます。

 もちろん強行規定ばかりではなく、例えば「造作買取請求権」民法では認められているが、任意規定なので契約で否定して買い取らないと決められる。借主が「貸主の同意を得て畳みを入れ替えて、退去する時に貸主に時価で買い取って」と請求できる権利です。契約に買い取らないと書いておかないと、買い取らないといけなくなる。

 上記の「賃貸住宅標準契約書」の(契約期間及び更新)第2条の「更新料」は記入されてないので、6ページの特約として、「更新料は、現家賃の1ヵ月分とする。」と記入する。更新料の金額を書いてないと揉めます。更新料は有効です(H23年7月15日 最高裁判決)

 自分で使うなど正当な事由がない場合、貸主からの解除はなかなか認められません。6か月前からの貸主からの解約通知が一般的に必要です。

 用途は特定されてますか(居住、事務所)、家賃滞納に対して遅延損害金が設定されているか(契約書に記述されてなければ3%、設定上限は14.6%)

「土地賃貸借」
 駐車場とかは別として、借主が建物を建て居住する前提で貸す場合、強行規定の借地借家法が適用となます。 最低契約期間が30年で原則更新。まず返ってこないです。「貸したら取られたと思え」と言われるゆえんです。

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