OEM取引基本契約書

ローソンの麺つゆ、つゆ濃縮3倍、500ml  「製造者ヤマキ」の作った商品を「ローソン」が販売している。温かいうどんによく合う。ラベルだけ変えているのではなく、既存のヤマキのめんつゆと全く違う。(ローソンしか売ってない。別のヤマキのめんつゆと味比べしてみた。)別味で作っている。

 流通業者の販売ブランドは、PB(プライベートブランド)と呼ばれ、PB商品製造委託基本契約書で締結されるが、内容はOEM取引基本契約書とほぼ同じである。

OEM取引とは、「Original Equipment Manufacturing」の略称で、委託者が企画、設定、デザインを生み出し、委託者のブランドで受託者が商品を生産する取引。スマホ、家電、自動車等の製造業で利用されている。契約の法的性質は、請負契約、又は売買契約となる。

初期費用がほとんどかからない。工場用地を確保して、建物を設計して、建てて、ラインを作って、従業員を雇ってオペレーションの訓練をして・・・全てカットできる。

開発や管理コストの削減。受託企業の製造ラインを使って製造できるのでウインウインの関係。また委託者は在庫リスクも負わなくていい。受託者は最低発注量の設定を求める事ができる。そして工場の稼働してない時間を使える。

発注者は、出来た商品を買うので、少ないロットで発注できる。しかも、書品ラインナップを増やす事ができる。

デメリットは、納期と品質管理。受託工場は、本来の自己製造を優先するので納期の面で後回しになる。品質管理は、各工場によって、ばらつきを注意しなくてはならない。良い工場と取引する事が大切。

 時間がかかる。打合せが長くかかる。

 デザインを詳細設計して受託者に送って、組立図面を返して、打ち合わせをして、試作を作って、生産へと進む。美味しい一皿に何工程も詰まっているように、委託者と受託者、細部まで詰める打ち合わせが必要。

 そして契約上の注意点

契約の性質は、完成したものを購入する売買契約か、請負契約とするかを明確に

商品の特定、生産品の仕様は、詳細に表記してますか? 外観、機能、性能、保守内容など、更に、試作品や金型、同封する取扱い説明書の作成まで長くなるので、別紙1で纏める。規定外の必要項目は、その都度協議する。

商標の取り決め。委託者の商標が流用(第三者に商品を販売)されないように、委託商品のみに使用と条項を入れる。商標を貼る場所の指示、また類似商標の登録出願しない事。

発注予想、発注保証、最低購入数量の取り決め。委託者有利なら予想。受託者も、生産準備して、少量の発注だと赤字になってしまう。

個別契約。納品のどのくらい前に発注するのか?の取り決め。工場も本来の生産を優先するので、スケジュール管理が重要。そして納品場所と検査。受入検査は、委託者が双方あらかじめ合意した方法により行う。足りなかった場合や不具合があった場合の取り決め。普通の売買取引基本契約と同じ。

(競業の禁止、模倣の禁止)自社コンテンツやノウハウが流れてしまうリスク。禁止する範囲を限定しないと受託者には、大きなリスク。例えば、「委託者の事前の書面による承諾があった場合を除いて本製品と同一又は類似の製品を販売してはならない。」当方と契約中は、とか年数で区切ったり、話し合い次第。
 受託者の力関係が強ければ、「めんつゆ」の例に戻ると、ヤマサ醤油はファミリーマートとセブンイレブンの両方のプライベートブランドの「めんつゆ」を作っている。

再委託の基本禁止。事前に文書での承諾が必要で、再委託するなら、再委託先にも委託先と同水準の責任を負担して下さいねという条項。自社コンテンツやノウハウを守る場合、再委託先にも秘密保持契約を結んで頂く。

製造物責任。商品に欠陥があった場合に責任をとってくださいという条項。製造物責任法で、製造した製品の欠陥で第三者の生命、身体又は財産に損害を与えた場合、製造者が責任を負う法律。ただ委託者の設計や委託者の供給した材料が原因なら、それを受託者が立証すれば免責される。

 秘密保持契約をして、知的財産権の取り決めなどして、あとは普通の製造請負契約と同じ。

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